スライムさんすこしがんばる

このひまをどのように

瀬戸内の島、佐島に行きました(もしくは、一人旅をめぐる思惑について)

 年明け以降、仕事も私生活もイイカンジにストレスフルな日々を送りながら僕が考えていたことは「無人島に行きたい…」でした。とにかく人の少ない場所に、できれば自然が豊かな場所に行きたくて行きたくて仕方がありませんでした。毎日毎日の通勤ラッシュ、白塗りのオフィス、街並みでの人混みで気が滅入るばかりだったのです。
 しかし、ゴールデンウイークと「人がいない場所」という二つのワードは大きく矛盾します。千葉県の各駅停車のみしか止まらない我が家の最寄り駅ですら休みの少年少女たちがわちゃわちゃと湧いているのいうのに、この日本で人がいない場所など果たしてあるのだろうか…という思いがこみ上げてくるわけです。
 確かに、ひたすらに家にヒキコモるという選択肢もなかったわけではありませんが、これもちょっとぞっとしない。一日中、5月のまばゆい日差しを忌避してたまの外出はコンビニとスーパー、いいとこ酒場か漫画喫茶という状態は精神衛生にはなはだよくないばかりか、休み明けには日焼けのしなさすぎで体育会系の上司に無駄に心配されるという不要極まりないオプションすらついてきます。
 そういうわけで今年の5月連休はどうしようかなあと考えていた初春のころ、ちょうど連休初日に福山(広島県)でカイシャの同期が結婚式を挙げるとのことで招待を受けました。これは、と思いました。

お車代で瀬戸内の無人島にいける・・・!と。(最低)

 そんなこんなで血も涙もないカンジで同期を祝福し終えたぼくは、一直線に愛媛県越智郡上島町佐島へ向かいました。もちろん一人です。

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 ちなみにこの記事を運悪くご笑覧頂いている皆様、一人旅についてはどう思われますか?寂しい?気楽?自分がするにしても他人がするにしても、さまざまな感想があるかと思います。ちなみにですけど、僕が思うのは「目的の薄い一人旅は案外さみしい」です。
 異郷で一人で行動するのは結構楽しい。国内海外問わず勝手のわからない土地で、一宿一飯をスケジューリングしながらその日の目的地にログインしていくのは、オリエンテーリングやサバイバルのようでなかなかよいものです。これぞ非日常。しかし旅行先を「なんとなくいろいろありそう・楽しそう」というアバウトな理由で「観光地」を選択するすると、この楽しさは豹変します。
 まず、観光地が混んでいる。しかも構成員のほとんどはファミリーやカップル、もしくは大学生のグループです。ここでその観光地に対する思い入れが薄い場合、どうしても周りに目が行きます。旅先で何気ないものを見てコメントしようにも、自分ひとりでは「ちょっと面白いかもしれないけど、わりとどうでもいいな…」と冷めていくばかり。例えば「生涯で一度はエルミタージュ美術館とツァールスコエ・セローの琥珀の部屋を見たい」くらいのモチベーションがあれば、旅先でもテンションを保っていられるのですが、目的が薄いままに観光地にいくと逆にダメージを負いかねないのです。(僕の場合です)

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 今回の一人旅は「マジで一人で何も考えたくない」という目的意識は強かったのですが、2年前のトルコでなかなかのダメージを負ったので、僕は保険を掛けました。すなわち、その日の宿に相部屋のゲストハウスを選択したのです。これが僕の中では結構恥ずかしい。
 だいたい、一人旅をしながらゲストハウスを宿場に選ぶなど、人とのコミュニケーションを求めていることの証左に他ならない。「こいつ友達いないんじゃないの」みたいな視線を自意識過剰に想定してしまう。別段誰も指摘するわけではないですが、僕は性格があまりよろしくないらしく、勝手に指摘されそうと感じて先んじて防衛を始めます。「いや松山に友人がいて、昨日は同期の福山の結婚式に出ていて、ついでなんですよヘラヘラ」みたいな。(いや、この言っていること自体は事実なのですが。)

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 結論からいうと、佐島は無人島ではありません。ぼくは無人島に行くことはできませんでした。それでも佐島全体の人口は600人程度であり、そこらじゅうにあるビーチには基本的に人がいません。GWだというにも関わらず。素晴らしいじゃありませんか。
 無人ビーチ探しとビーチで波を見ながら酒を飲むという目的は、数時間の移動というサバイバルの後、しっかりと達成されました。ハレルヤ。
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本当に人がいません。。。最高。。。
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 あと、僕の泊まったゲストハウス『汐見の家』さんは、僕の自己欺瞞をつゆほど気にかけず、ヒネた僕でも素直に楽しく思えてリラックスできるお宿を提供してくださいました。とてもよい感じの古民家をリノベしたゲストハウスで、五右衛門風呂などの体験型の装置もさすがだなと思わせてくれます。あと、瀬戸内の温暖な気候で僕の邪念も洗い流されたように思います。移住したい。最後に御礼を兼ねて、ここに名前を記させていただきます。ありがとうございました。
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晩御飯。対面はゲストハウス管理人の桂子さんとその娘さんのここちゃん。この日のお客さんは僕ともう一人。


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最初は旅行記風に書こうとしたのですが、こういうひねくれた文章を書くほうが楽しいのでこうなってしまいました。どの口で言うかとお思いでしょうが、瀬戸内はおすすめです。


今週のお題ゴールデンウィーク2016」